モンステラは独特な葉の切れ込みが特徴的な人気の観葉植物。ですが、いざ育ててみると「葉が割れない」「丸い葉のまま成長してしまう」など、理想と違う姿に戸惑う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、モンステラの葉が割れない原因と対策、また割れる葉を育てるための環境づくりについて詳しく解説します。観葉植物を育てるのが初めての方でも安心して読めるよう、わかりやすくまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
モンステラの葉が割れないのはなぜ?原因と基本の育て方

まずは、モンステラの葉が割れない主な理由と、その前提となる育て方のポイントについて見ていきましょう。「そもそも割れないのは異常なのか?」「どうすれば割れるのか?」という基本的な疑問から丁寧に解説します。
モンステラの葉が割れない理由とは?
モンステラの葉が割れない原因として最も多いのは、「環境と成長段階の不一致」です。日光不足・鉢のサイズ・湿度などの条件が適していないと、葉に切れ込みが出る前に成長が止まってしまうことがあります。
たとえば私も以前、リビングの暗めの場所で育てていたときは、丸い葉が何枚も続き、「本当にこれがモンステラ?」と疑いたくなったことがあります。しかし、置き場所を明るい窓際に変えたところ、次の葉からはしっかりとした切れ込みが入り始めました。
また、モンステラは成長につれて切れ込みが増えていく植物です。若い株や小さい鉢では、まだ“葉を割る力”が育っていないことも。焦らず、生長を見守ることも大切です。
逆に、葉が割れないこと=失敗ではありません。むしろその葉は、植物が今の環境に合わせて“丸い葉”を選んだ結果とも言えます。
大切なのは、「光・温度・水・鉢のサイズ」を整えて、モンステラが本来の力を発揮できる環境を作ってあげること。次の見出しからは、その具体的なメカニズムや改善策を詳しく見ていきましょう。
葉に切れ込みができる仕組み
モンステラの葉に切れ込みが入るのは、見た目の美しさだけでなく、植物としての進化的な役割に由来しています。熱帯の原生林で生きるモンステラは、他の植物に囲まれた中でも効率よく光を取り込むため、葉に“切れ込み”や“穴”をつくって自らの影を減らすように進化してきました。
この切れ込みは、遺伝的にプログラムされた性質ですが、ある程度の大きさ・成熟度・環境条件がそろわないと発現しないのがポイントです。つまり、株がまだ小さい・日光が足りない・栄養が不足しているといった状況では、切れ込みが現れないのが自然なことなのです。
実際、私のモンステラでも、4枚目・5枚目の葉までは丸く、その後の6枚目以降で徐々に切れ込みが増え始めました。特に、日当たりと湿度を改善した後の変化は明らかでした。
切れ込みができるタイミングには個体差がありますが、「育てる環境×植物の成長段階」が噛み合ったときに初めて現れる現象です。
裏を返せば、「切れ込み=健康のバロメーター」とも言える存在。あなたのモンステラに切れ込みが出ていない場合でも、それはまだ育成条件が整っていないだけかもしれません。焦らず、次の成長のサインを待ってみましょう。
モンステラの葉が割れるのはいつから?
「葉が割れるのはいつからですか?」という質問は、モンステラ初心者の方から非常に多く聞かれます。結論から言うと、明確な“時期”というよりも“条件が整ったタイミング”が大きく関係しています。
モンステラは成長に応じて葉の形を変化させていく植物です。最初の数枚は丸い葉が続き、株がある程度大きくなり、葉が成熟してから切れ込みが入るようになります。一般的には5〜10枚目あたりから変化が見られ、切れ込みが出始めるケースが多いです。
私の経験では、5枚目〜7枚目あたりから少しずつ割れが入りはじめ、10枚目以降で明確な切れ込みになりました。ただしこれは一例であり、環境や品種・鉢のサイズによっても差が出るのが特徴です。
さらに、季節による成長スピードの違いも影響します。春〜夏は新芽が出やすく成長も早いですが、秋〜冬は動きが鈍くなるため、切れ込みの出現が遅れがちです。観察する時期によって「まだ割れないな」と感じてしまうこともあります。
また、ポット苗などの小さなサイズのうちはまだ葉にエネルギーが届きづらいため、丸い葉ばかり出ていても不思議ではありません。葉が割れるのは“植物が余裕を持って伸びようとしたとき”に出るサインなのです。
焦らずに、「今の葉は未熟なだけ」「次の葉から変化が出るかも」と前向きに捉えることが大切。切れ込みは自然な生長の過程で現れる現象であり、育成環境を整えながら、じっくり次の葉を待つことが最善策といえるでしょう。
葉が丸まる・開かないときの注意点

モンステラの葉が丸まったまま開かない場合、育成環境に何らかの問題があるサインであることが多いです。特に、湿度や日照、根詰まりといった基本的な条件が影響しているケースがほとんどです。
私の育てていたモンステラでも、ある時期から葉が広がらずに、クルンと丸まったまま止まってしまったことがありました。当時は加湿器を切っていて部屋が乾燥していたうえ、鉢も小さめだったことが原因でした。
丸まった葉が開かない理由として代表的なのは、以下の3点です:
- ✅ 湿度が足りず、葉が柔軟に展開できない
- ✅ 日光不足により光合成が十分行えない
- ✅ 鉢が小さく、根詰まりして生長が抑制されている
このような環境では、モンステラ自身が「今は成長を止めるべきだ」と判断し、新芽の展開を中断してしまうことがあります。特に湿度不足は見落としやすいため注意が必要です。
対策としては、室内の湿度を50~60%以上に保つことが第一歩です。加湿器の使用や葉水(霧吹き)を習慣化すると、葉が展開しやすくなります。また、鉢のサイズが小さすぎないか、日当たりは適切かも見直してみましょう。
葉が開かない現象は、一時的なストレスでも起こることがあります。慌てて植え替えたりせず、まずは環境を穏やかに整えてあげることが大切です。
葉が割れない種類もある?知っておきたい品種の特徴
モンステラとひとくちに言っても、実はさまざまな種類が存在します。中には、そもそも切れ込みが入りにくい品種もあり、「葉が割れない=失敗」ではないケースも多いのです。
代表的なのが、モンステラ・アダンソニー(通称:ヒメモンステラ)やモンステラ・ペルツーサなどの小型種。これらは成長してもあまり大きくならず、切れ込みも少なめ、または葉に穴が開く形で変化します。
また、ホームセンターなどで販売されている小さなモンステラの苗は、まだ若い「モンステラ・デリシオーサ」である場合が多く、成長途中のため切れ込みがないだけのケースもあります。
私の育てている株も、購入時は「割れないのは失敗かな」と思っていましたが、品種名を調べたところアダンソニーで、もともと葉が細長く穴状になるタイプでした。つまり、「割れないのがその植物の個性」だったわけです。
自分のモンステラがどの種類かを知るには、購入時のラベルや商品名、または葉の形・模様をよく観察することが大切です。不明な場合は、販売元のサイトや園芸書を参考にするとよいでしょう。
もし「どうしても割れる葉が欲しい!」という場合は、モンステラ・デリシオーサの成熟株を選ぶのがおすすめです。切れ込みが深く、大きく成長するダイナミックな品種として知られています。
植物にはそれぞれの個性があり、割れ方や育ち方もさまざまです。まずは品種の特徴を理解したうえで、無理のない育て方を選んでいきましょう。
モンステラの葉を割れさせる育成環境と管理方法

前のセクションでは、モンステラの葉が割れない原因や種類の違いについて解説しました。ここからは、「ではどうすれば割れた葉が出るようになるのか?」という視点で、育成環境やお世話の方法について詳しくご紹介します。
日照・温度・湿度・栄養・剪定など、どれも切れ込みに影響する大切な要素です。育て方を少し見直すだけで、見違えるように葉の表情が変わることもあるので、ぜひ参考にしてください。
日当たりが悪いと切れ込みが出ない理由
モンステラの葉に切れ込みが出ない大きな原因のひとつが、日照不足です。見落とされがちですが、光が足りない環境では、植物が十分に育つことができず、特徴的な“割れた葉”も現れにくくなります。
モンステラは本来、熱帯の森林に自生している植物です。樹木の隙間から差し込む柔らかい光を好む性質があり、明るい日陰〜半日陰程度の間接光が最適な環境です。しかし、室内の奥まった場所やカーテン越しでも日が入らない場所では、成長そのものが鈍りがちです。
実際、私も以前モンステラを部屋の隅で育てていたとき、2〜3枚続けて丸い葉が出てしまい、「なんで割れないんだろう…」と悩んだ経験があります。その後、窓際に移動させてレースカーテン越しに日光を確保したところ、次の葉から見事に切れ込みが入り始めたのです。
日光が不足すると、モンステラはエネルギーを温存しようとして“簡単な形=丸い葉”を出す傾向があります。これはある意味、植物自身の防衛本能ともいえる反応です。
日照を改善するための方法としては:
- ✅ 窓際に置いて朝〜午前中の光を確保する
- ✅ 植物用のLEDライトを導入して補光する
- ✅ 日当たりの良い季節には一時的にベランダに出す(直射日光は避ける)
ポイントは、「明るいが直射日光は避ける」こと。とくに夏の強い日差しは葉焼けの原因になるため、遮光レースカーテンやすだれを活用して調整しましょう。
モンステラは光によって性質が大きく変わる植物です。葉の切れ込みをしっかり出したいなら、まずは育てる場所の“光の質と量”を見直すことから始めましょう。
葉の割れに影響する温度と湿度の管理

モンステラの葉に切れ込みが出るかどうかは、温度や湿度の管理にも大きく左右されます。 tropical(熱帯)原産の植物であるモンステラにとって、日本の室内環境はときに過酷になるため、気温や空気の乾燥に気を配ることが非常に重要です。
モンステラが最も元気に育つ気温は20〜28℃。この範囲で安定していると、葉も大きく伸び、切れ込みも出やすくなります。逆に15℃を下回ると成長が鈍化し、新芽も出にくくなる傾向があります。
また、湿度は60%前後を保つのが理想です。空気が乾燥していると葉がしなびたり、丸まったまま開かないことも。特に冬場の暖房や夏のエアコンの使用で湿度が急激に下がるため、葉の成長に影響を与えやすくなります。
私自身、エアコンを使い始めた途端に葉が開きにくくなった経験がありました。その後、加湿器を設置し、朝晩に霧吹きで葉水を与える習慣をつけたことで、明らかに新しい葉の開きがよくなりました。
具体的な管理のポイントは以下の通りです:
- ✅ 室温は1年を通して20℃以上を目安に保つ
- ✅ 冬場は窓際に置かず、夜間の冷気に注意
- ✅ 加湿器や葉水を活用して湿度をキープ
- ✅ 直射日光+乾燥のダブルパンチは避ける
モンステラは本来、空気が暖かく湿った環境でこそ本領を発揮する植物です。日本の住宅環境ではどうしても乾燥しがちなので、「空気の質」まで意識したケアが美しい葉を育てる鍵になります。
モンステラの葉っぱを増やすための剪定と肥料
モンステラの魅力は、なんといってもボリューム感のある大きな葉。せっかく育てるなら、葉っぱを増やして見応えのある姿にしたいですよね。そこで重要になってくるのが、剪定と肥料の使い方です。
まず剪定ですが、意外にも「切ることで増やす」ことができます。剪定によって余分な葉や茎を整理することで、栄養が新芽に集中し、次の葉が育ちやすくなるのです。伸びすぎたツルや、下葉が黄色くなった部分は思い切ってカットしましょう。
私も定期的に剪定していますが、切った直後は一時的に葉数が減るものの、2週間ほどで新芽が顔を出し、次第にボリュームが戻ってきます。切るのは勇気がいりますが、結果的に株全体が活性化されると実感しています。
次に肥料ですが、成長期(春〜秋)に緩効性の観葉植物用肥料を適度に与えるのが効果的です。チッソ成分が多めの肥料は、葉の生育を促進するために特に向いています。
ただし、与えすぎには注意が必要です。肥料が多すぎると根が傷んだり、逆に葉が黒くなったりすることも。月に1回程度の置き肥、または10日に1回の液体肥料が目安となります。
また、肥料だけに頼らず、光や水・温度とのバランスも大切。栄養だけ与えても、環境が整っていないと意味がありません。
剪定と肥料は「攻めのケア」とも言える手法ですが、正しく行えば、モンステラの葉数をぐっと増やすことができます。「最近あまり葉が増えないな」と感じたら、一度この2点を見直してみてください。
切れ込みがなくなったときのリカバリー方法
以前は綺麗に切れ込みが入っていたのに、最近の葉は丸いまま…という経験はありませんか?モンステラでは、環境の変化やストレスによって一時的に切れ込みがなくなることがあります。これは育て方の「崩れ始めのサイン」とも言える現象です。
実際、私のモンステラも夏場にエアコンの風が直撃する場所に置いていた時期に、葉が3枚連続で割れなくなったことがありました。光や温度、湿度のどれかが崩れると、モンステラは「育つのを一旦止めよう」と判断し、単純な葉を出して様子を見ることがあります。
では、どのようにリカバリーすればよいのでしょうか?
第一に確認すべきは光の量と質です。日照不足は最も影響が出やすい要因です。できるだけ明るい場所(レースカーテン越しの南向き窓際など)に置くか、植物用LEDライトを使って補光しましょう。
次に、温度・湿度の見直しです。室温が20℃を下回っていないか、乾燥していないかを確認し、必要であれば加湿器を導入したり、鉢の位置を変えたりして環境を整えます。
さらに、根詰まりや栄養不足も疑ってみましょう。鉢が小さくなっていないか、植え替えのタイミングを見極め、必要に応じて肥料を与えることも重要です。
リカバリーのコツは、「一度にすべてを変えすぎないこと」です。急な環境の変化は逆にストレスとなるため、ひとつずつ、順番に環境を整えてあげることが成功のポイントです。
切れ込みが戻るまでには数週間〜数か月かかることもありますが、根気よくケアを続ければ、また立派な葉が戻ってきます。
モンステラの葉が割れない原因と育て方のまとめ
モンステラの葉が割れないと、「何か間違ってる?」「失敗しちゃったかな…」と不安になりますよね。でも実際には、ちょっとした育て方の見直しで改善できるケースがほとんどです。
まずは、原因として多いポイントを改めて整理しておきましょう:
- ☑ 日光不足(特に明るさと持続時間)
- ☑ 空気の乾燥・低湿度
- ☑ 気温の低下(15℃以下)
- ☑ 鉢のサイズが小さすぎて根詰まりしている
- ☑ 剪定や肥料の不足、または与えすぎ
- ☑ そもそも割れにくい品種である
こうした要因に1つでも心当たりがあれば、すぐに全部を変えるのではなく、1つずつ丁寧に調整していくことが成功のカギです。特に「光」と「湿度」は、変えるだけで数週間で葉に変化が出ることもある重要ポイントです。
私も最初は知識がなく、葉が割れないまま何ヶ月も育てていましたが、日当たりを見直して加湿器を導入したことで、次の葉からしっかり切れ込みが入りました。
モンステラは、育てるほどに変化がわかりやすく、応えてくれる植物です。「今はまだ割れてないだけ」かもしれません。焦らず、自分の植物のリズムを尊重しながら、その過程そのものを楽しむことが、何より大切です。
これからモンステラを育て始める方も、既に育てていて疑問や不安がある方も、この記事が少しでもヒントになれば幸いです。